『自己治癒力を高める医療: 病気になるプロセスに寄り添う 』を読みました その1
『自己治癒力を高める医療: 病気になるプロセスに寄り添う 』小西康弘(著)を読みました。
病気になるプロセスが川の流れに例えられていて
環境、生活習慣、加齢
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上流 心身ストレス
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中流 自己治癒力の低下
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今の一般的な西洋医学では、おもに下流の治療がメインに行なわれています。
しかし、誰もがいきなり病気になるわけではありません。 病気になってしまう前には、まず、自己治癒力の低下がおこっているそうです。
その自己治癒力(自然治癒力)の低下がなぜおこるのか、どういう対処法があるのかについて書かれています。
自己治癒力は主に3つの機能につかさどられています。
自律神経、ホルモン、免疫系です。
この3つの機能はお互い関係しあっています。
自律神経のバランスが崩れると、起立性調節障害(ふらついて起き上がれない)が起こったり、 ホルモンバランスが崩れると、副腎疲労症候群がおこったり 免疫系が崩れると、慢性疲労症候群になったりします。
こういった症状は、すべて自己治癒力が低下してきている状態といえます。
そして、自己治癒力が低下の原因の一つは腸内環境の悪化だそうです。
慢性的にストレスがかかると、腸内環境が乱れてきて、 リーキーガット症候群といって、腸の細胞の間に大きな隙間ができて、本来アミノ酸まで分解されて吸収されるはずのタンパク質が、分解される前のタンパク質のままで吸収されてしまうようになってしまいます。
本来吸収されるべきものでないタンパク質が吸収されてしまうと、体がアレルギー反応をおこしてしまいます。
このアレルギー反応は、通常のアレルギー反応と違って、半日から数日後に起こってくる、遅発型のフードアレルギーといわれるものです。
体の中でずっとゆるい炎症反応がおこっている状態が続くので、いつのまにか体が疲れて、自己治癒力が低下してしまいます。 また、腸内環境が乱れると、腸管カンジダ症がおこり、カンジダが発生する有機酸が、ミトコンドリアのエネルギー産生サイクルをブロックするために、エネルギー産生がうまくいかないために、慢性疲労症状がでて、自己治癒力が低下してしまいます。
さらに、腸内環境が乱れると、腸管からのデトックス機能が低下し、重金属の排出が低下し、重金属が体内に蓄積しやすくなってしまいます。
体に重金属がたまると、体で必要な機能に滞りがでて、自己治癒力が低下してしまいます。
こういう風に低下した自己治癒力は、 ビタミン、ミネラルの補充 腸内環境の改善 ミトコンドリア機能の改善 重金属の除去 を行なうことで、改善していくことができるようです。